WordPressでサイトをつくるメリットを理解しておこう

「WordPressなら安く簡単に良いサイトができるらしい」
こんな魔法のような言葉をたまに耳にしますが、WordPressはそこまで牛丼ライクなWebフレームワークではありません。ただし、うまくメリットを活かして使いこなせばもちろん高い費用対効果を発揮してくれます。ですが、Webの担当者自身がそういったメリットを十分に理解しないまま制作会社にサイトを発注してしまうと、結局「何ができるの?」となってしまい、十分にサイトを活かせないまま放置してしまうでしょう。

本当にWordPressなら安くサイトがつくれるのか?

自分のところにも「WordPressでサイトをつくりたいんですが…」というご相談を多くいただきます。なぜ要件が決まる前からWordPress指定なんだろう?と疑問に思って質問すると、冒頭にも書きましたが大抵こう返ってきます。
「WordPressなら安く簡単にできるって聞いた」
と、なるほど…。
これは半分正解、半分ハズレです。

WordPressか否かは制作費には大きく影響しないと思ってイイ。

もちろん全く影響しないわけではありませんが、制作費はフレームワークの使用の有無ではなく要件によって大きく変動するものです。ですので「WordPressか否か」はさして重要ではありません。
通常の制作フローではサイトの内容をヒアリングし詰めていきますが、クライアントが希望するWebサイト像を具体化していく作業と同時に今回の案件に最適なフレームワークはなんだろうかというのも制作者は探っていきます。
自分のようなフリーランスのWeb制作者が請ける案件の中でも多いのは「中小企業のコーポレートサイト・メディア系サイト・個人事業Webサイト」です。

  • トップページ
  • 企業理念や事業案内の下層ページ(5〜10ページ)
  • コンテンツページ
  • 新着情報などのお知らせ欄
  • お問い合わせ
  • その他

上記は小〜中規模のWebサイトのスタンダードな構成ですが、自分の場合は、テンプレートありきの提案はほぼ行いません。オリジナルデザインで話を進めていきます。
それはクライアントの要望に沿ってサイト設計をするにあたって、はじめから要件に合致するようなテンプレートが見つかることはゼロです。結局はWordPressであろうと下層や各ページの静的なデザインやHTMLコーディングは発生します。
ただ逆をかえすと、制作者に「テンプレートの使用」を強く希望すればもちろん応じてくれるでしょう。そうすれば減った工数ぶんだけもちろん制作費を下げることも可能かもしれません。基本的に他者の作成したテンプレートには意図しない動作が入っていたり、メンテナンスの際にテンプレートの構造や癖を結局紐解いていかないといけないので要らぬところで労力がかかるので私は好きではありません。

WordPressで削減できるのは制作コストではなく運用コスト

むしろWordPressのようなCMSを使うメリットは制作費云々ではなく、完成後の運用フェーズのコストを削減できるところにあります。
WordPressについて調べている方ならもちろん知っているような話なので改めて言うまでもないですが、WordPressを使うことのメリットはただ1つ。
 
HTMLの知識がなくてもページの「更新」ができる。
 
これに尽きます。

HTMLサイトとWordPressの更新の仕方と必要な知識の違い

例えばHTMLを直接更新する仕様のWebサイトの場合、必要手順はこのような感じです。

  • 1.HTMLファイルを新規に作成(あるいは既存ファイルの修正)
  • 2.テキストエディターでHTMLを構築・修正
  • 3.完成したファイルをサーバーの然るべき場所へ格納

一方、WordPressで構築されたWebサイトの場合はこのような感じ。

  • 1.WordPress管理画面にログイン
  • 2.新規(既存)ページの投稿を作成・編集
  • 3.保存

同じ3つの工程なのに、前者と後者では必要な知識量がまったく異なります。
前者には「HTMLの知識」「エディターなどのソフトの知識」「サーバーの知識」に加え、それらを一連の作業として線にするための一般的なWebへの知識も必要になってきます。
HTMLのページ更新を制作会社に依頼すると、それだけで前者分の作業工賃が当然発生します。加えて双方のスケジュールや都合も調整が必要になりますから「外注費」というコストの発生は避けられません。
一方で、後者のWordPressなら一般的なPC教養と文章スキルがあればサイトの更新は可能です。厳密にいうと複雑なレイアウトを伴うページの更新は難しいですが、新着情報やお知らせ、一定のレイアウトで構成された記事の更新は可能です。
運用を担当するスタッフの人件費は避けられませんので、一概にどちらが得かという話は難しいです。

WordPressは牛丼にあらず

お腹が空いたから牛丼を食べることはあっても牛丼を食べるためにお腹を空かす人がいないように、WordPressはサイト構築のイチ手段であって「WordPressでサイトを構築すること」が目的になってしまっていては本当のゴールを見失いかねません。
それに「WordPress=早い・安い・旨い」の方程式を鵜呑みにして何も考えずにWebサイトを注文すると結果的に高くついてしまうケースもあり得ます。(実際にそういうケースを知っています)
適正なWebサイトを適正な価格で発注できるように「イシダの」では、はじめにキチンとWebサイトを持つことのメリットや希望するゴールに合った設計を説明させていただき提案しています。
WordPressを搭載したWebサイトなら完成後はクライアント自身が主役となって更新することも可能です。ミニマムなら10万円以下での完全オリジナルのWebサイト開設も可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。
 

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WordPressの運用はエックスサーバーで



この記事を書いた人

石田 真啓|komete 代表