将来のことを考えるためのタスク管理方法を。「期日」以外の尺度でタスクを測る。

「本当に大切なことが後回しになっている…」
「目の前のことに追われて中長期の設計が曖昧なまま…」

本業務・経理・雑務を一人でこなすフリーランスはこういった状況に陥りがちです。目の前の仕事で手一杯になり未来計画や投資がどうしても疎かに…。
自分も例に漏れず「今日の仕事をこなすだけ」でしたが、制作一辺倒のワークスタイルには常に危機を感じ、意識だけでも改善できるような仕組づくりは常に考えていました。

締め切り


スケジュール表に淡々と締切を記してタスク管理をしている人は、ぜひこの記事のエッセンスを取り入れて少し仕事の組み方を見直す機会にしてみてください。
ちなみに、仕事量や重要度を自分で決めることができないポジションだと、今回の考え方は当てはめづらいかと思います。どちらかというとフリーランス・マネジメント層向けの考え方です。

まずは期日優先だったこれまでのタスク管理方法を見直す

自分のこれまでの仕事のこなし方は常に「期日」を最優先にしてスケジュール表とのにらめっこでした。目先の仕事にばかり目がいってしまい、1週間後の自分は見えても1年後の自分が見えづらくなっていました。

時間管理マトリックスで、期日以外の尺度でタスクを見つめる

今さら説明の要らない「7つの習慣」の中のこれまた説明の要らない「時間管理マトリックス」というフレームワークを用います。有名なフレームワークですが簡単に説明すると日常の物事は4つの領域に区分できます。

  • 第一領域:重要かつ緊急
  • 第二領域:重要だが緊急ではない
  • 第三領域:重要ではないが緊急
  • 第四領域:重要でも緊急でもない
4つの重要緊急領域


物事を重要度・緊急度でラベリングするこの概念を従来おこなってきたタスク管理方法に取り入れることで、目先の期日に追われて見失いがちだった「未来の自分」について、今までよりも意識できるようになります。

「期日・重要度・緊急度」の三軸でシンプルに管理できるいいツールがない

かといって、時間管理マトリックスを取り入れることでタスク管理が複雑になったり見失っては本末転倒、意味がありません。できる限りシンプルさは保ちつつ「期日・重要度・緊急度」の三軸でタスクを管理できるツール・アプリがない…。
会社員時代はBacklogでチーム業務が可視化されていましたが、個人で使用する分には少し大げさ過ぎます。かといってTrelloやGoogleタスクはやりたいことがやりきれなかったり、UIが馴染めず…。

結局、Remember The Milk に落ち着いた

いくつか試しに使ってきましたが、結局はタスク管理ツールの中では老舗の「Remember The Milk」が、ブラウザアプリの中では一番パフォーマンスが良いという判断に落ち着きました。

https://www.rememberthemilk.com のロゴマーク


https://www.rememberthemilk.com
どれがおすすめタスク管理ツールなのか悩んでる方にもおすすめです。

Remember The Milk のスマートリストで「重要・緊急領域」を再現

今回の内容はすべて「Remember The Milk」のフリープランでまかなえる方法なので特にコストもかかりません。登録すればすぐに使えるのでぜひ試しながら読んでみてください。
Remember The Milk のスマートリストという機能を使って「重要かつ直近で片付けるべき仕事」から「どうでもいい雑務」までを自動で4つの領域に仕分けてくれるようにします。

まず、Remember The Milk のフリープランに登録する

基本的な登録方法などはすっ飛ばします。以下のサイトからログインしましょう。
https://www.rememberthemilk.com

スマートリストの名前を入力する

名前は何でも構いませんが、第一領域は重要度も緊急度も高い領域ですので、
重[高]緊[高]
のように付けておくと分かり易いです。

スマートリストを登録

スマートリストの名前を入力

検索条件を追加する

次に登録されているタスクを各領域に仕分けるために検索条件を追加します。

検索条件の追加キャプチャ


第一領域の「重要かつ緊急である」タスクは以下のように条件付けします。

  • [ 優先度 ]  [ 等しい ]  [ 優先度1 ]
  • [ 期限 ]  [ が(day/time)より前 ]  [ 8days ]

日本語訳がやや難解な部分がありますが、検索条件に上記を入力することで「緊急度が1(最高レベル)で7日以内に消化すべきタスク」が第一領域のリストに表示されるようになります。緊急の度合いはそれぞれの仕事の都合に合わせて変更してください。
以上のやり方を倣って第二領域から第四領域も順番に登録します。各リストの中に振り分けられるタスクの条件はこんな感じになります。

四領域を登録した際のキャプチャ

タスクの振り分けられ方の例

例えば「明日◯◯さんに▲案件の連絡必須」という「重要かつ緊急」なタスクを登録するとこうなります。

第一領域へのタスク登録例01

第一領域へのタスク登録例02

 

例えば「新規事業のための資料集め」なんてタスクがあるとします。
将来設計の重要な作業だが今日・明日で完了させるべきタスクではない場合は「優先度を1」にします。期限を2週間後のように設定すると、そのタスクは自動的に第二領域へ格納されます。

第二領域へのタスク登録例03

第二領域へのタスク登録例04

よく使う項目に各スマートリストを追加しておく

作成したスマートリストは「よく使う項目」に追加しておくと、画面の上段にリストが表示されるのでノートパソコンなどで表示した際もファーストビューに納まります。

よく使う項目


Remember The Milkでは「今日・明日」といった期日でのラベリングももちろん対応しているので、両軸で業務を意識できてタスクの消化漏れが発生しません。

目的はタスクを管理することではなく「行動すること」

長々と説明しましたが、この管理方法を取り入れる目的はタスクの管理や消化ではなく、自分の抱えている仕事の「優劣」をしっかりと意識して、今だけに囚われないように中長期の投資を意識して過ごすことにあります。
「お金にも投資にもならない仕事を優先していないか?」
「大切な事がどうでもイイ事の中に埋もれていないか?」

限りある時間をできるだけ有効的に使えるようにタスクを可視化するのは大切なことだと自分は思っています。

自分にまつわる物事の流れを常にシンプルに可視化

自分に降って沸くタスクはすべてこのリストを通るので「いつなにをすればいいか」が常時シンプルに可視化されます。複数のスケジュール帳やアプリを横断してタスクを管理している人はいますぐ一本化することをおすすめします。

タスクの流れの図

あくまで手段なので、ツールそのものに縛られないこと

「7つの習慣」からの引用です。

大切なことは、スケジュールに優先順位をつけることではなく、優先すべきことをスケジュールにすることなのである。

仕事・業務の流れを構築するためのイチ手段としてツールを使いこなさないと、これまで以上に停滞することにもなりかねません。あくまで管理の手段なのでツールそのものに縛られないようにしましょう。

「今と未来」両方において大切なことを見逃さない

Remember The Milk と時間管理マトリックスの概念を取り込んだタスク簡単方法を簡単に紹介しました。
必ずしもすべての職種・業態の方に使い勝手のイイ方法ではないですが、煩雑になりがちなタスク管理をシンプルかつ「今」と「未来」を並列して可視化する一案として参考にしていただけると幸いです。

この記事を書いた人

石田 真啓|komete 代表